最新話
第41話「ゴースト夏祭りの怪」

【モルグ市魔神博物館】

モルグ市魔神博物館
日本に"魔神"と呼ばれる怪異が出現するようになり幾年。惑羽イチトと真道シガヤは某博物館の出向職員となる。『回収員』として魔神を殺し、死体を手に入れることがふたりの仕事。展示物の確保のため、そして平和な日常のため、ふたりのまどうは魔神を殺す!


【本編】

小説家になろう / カクヨム / Nolaノベル / NOVELDAYS
番外編:『難しい問題』を解けば出られる部屋

【etc】

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作品紹介はクロスフォリオにて!漫画もある
更新連絡全般はしずかなインターネットにて!
#盛愚市民こばなし
『無駄なこと』

「何をしてるんですか」
「写真の見比べよ」
「こちらは生前で」
「ええ」
「こちらはご遺体ですか」
「そうかもね」

「違うんですか?」
「遺体なのは確かよ」
「どういうことですか」
「これが、この子の遺体か、分からなくて」
「ああ、だから見比べを」
「そうなのよ」

「……ああ、遺体の写真はいっぱいあるんですね。気が狂ってしまうからやめた方がいいですよ。外見で判断するなんて無意味なことです。ましてや写真でなんて」

「でもやることないから、暇なのよ」
「じきに薬が効きますよ」
「寝飽きたわ」
「そうかもしれません」
「あの子と一緒に、今の時期、お花見に行く予定だったのよ」
「それは……」
「花ごとぜんぶ壊してくれちゃって、あのバケモノ」

「どこに行くんですか」
「殺しに行かなきゃ」
「そんな体でですか」
「起こして、起こして」
「ナースコールします」
「起こして、立たせて、ねぇどうして私、両足がないの、ねぇ!」

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#盛愚市民こばなし
「あれから出なくなったな」

綺麗なお姉さんの幽霊が現れて「私を助けて」と懇願してきた。
ある平日の夕方の出来事だ。

これはまだ体が残ってるパターンだと思って幽霊について行く。
慈善活動だ。
それに、自分が死んだ時に助けを求めて無視されたらまったく悲しいことじゃないか。

立ち入った先は鬱蒼とした森の中。
幽霊は華奢な指先を大木の虚に向けた。
大木にはお札がベタベタと貼られていて『作業中・立ち入り禁止・盛愚市魔神博物館』と書かれている。

あー、異界落ちならできること何もないです残念です。
あとは博物館さんに助けてもらってください。

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#盛愚市民こばなし
『落とし物』

その子供は血の染みが残る警官帽を大事に持っていた。
魔神に襲われたところを助けてくれた市警警官の持ち物だったそうだ。

救出に当たった若い警官は子供の代わりに魔神に襲われて、上半身が異界に落ちた。
残った下半身だけが墓に収められている。

ある日その子が警察帽をかぶって散歩に出ていたら、緑のジャケットを羽織った大人にそれを盗られてしまった。
返してと泣き喚く子供に、大人は「貴方を求めてドアーが開かれるので」と告げたが、子供にその意味がわかるワケがない。

これは『ワタリ』という存在が関係者の間で囁かれるよりも前の出来事である。
結局、子供はそのあと行方不明となり、行方不明者届が受理されている。

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#盛愚市民こばなし
『被害のはなし』

「大侵攻のとき、皇都で真っ先に狙われたのってどこか知ってる?」
「産婦人科」
「じゃあ盛愚市では?」
「神社」
「それぞれの理由は?」
「神のみぞ知る」



「魔神研究においては、ある程度の推測は立てています。産婦人科の入院病棟の被害が甚大だった点については……赤子を捕食する種が群がったからです。あるいは"懐妊できる"女性たちが多く居たからも大きいでしょう」
「盛愚市の場合は、なんででしょうね。まだこちらは調査中です。神社に赤子が多いわけでもないのにね」



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#盛愚市民こばなし
『T島事件、改め』

人を殺したばかりの魔神をあろうことか「現行犯逮捕」した市警察の者がいた。

魔神が人型をしていたから。
……暗がりだったこともあり。

街灯に照らされて、相手の頭部が███いることにその警察官はようやく気づいた。

若い警察官は交番まで魔神を連行し、上長に「どうしたらいいでしょう」と声を揺らして尋ねたという。

その後、この事件はもう無い交番の名前を取って『F番交差点前交番事件』と呼ばれている。裏では間抜けな警察官の名をとって『T島事件』と囁かれていたが、無被害区画の出身者を揶揄するのは違うだろうという同僚たちの懸命な働きかけが身を結んだ。

いまだ市警察ごとに対策マニュアルは異なっており、全国統一化はこの数年まったく進んでいない。

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