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第41話「ゴースト夏祭りの怪」

【モルグ市魔神博物館】

モルグ市魔神博物館
日本に"魔神"と呼ばれる怪異が出現するようになり幾年。惑羽イチトと真道シガヤは某博物館の出向職員となる。『回収員』として魔神を殺し、死体を手に入れることがふたりの仕事。展示物の確保のため、そして平和な日常のため、ふたりのまどうは魔神を殺す!


【本編】

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番外編:『難しい問題』を解けば出られる部屋

【etc】

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#盛愚市民こばなし
『支えあう錯覚』

懐かしいなぁと、崩れた家を眺めている。

あの日、ここにたくさんの人がぎゅう詰めになって息を押し殺していた。
魔神が出たんだ。
黄色くて、どろどろして、それでも生き物だった。
車の芳香剤に似た体臭が強くて、いまでも自分は車に乗ることができない。
あの、目によく似た空洞を思い出してしまうから。

あれは、3人ほどが殺された後だったから。
家に逃げ込んだみんなはただひたすら魔神が去ることを願い、次の犠牲が自分じゃ無いことを願い、互いに励まし合って日の出の時間を越した。

魔神がいなくなる条件を測っていたが、結局、自分たちには分からなかった。
雨の降った夜に魔神は消え去ったが、同じ雨空は何回も繰り返していた。

懐かしさに駆られて崩れた家を訪れた。

あの時支えあった自分たちに確かに絆ができたと夢を見ていた。
こうして家が壊されても、それを惜しむ人は現れず、自分だけがあの思い出を大切にしていたんだと理解した。

あの場にいた誰の名前も覚えていないのにね。
可笑しいのは自分の方だ。

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