最新話
第41話「ゴースト夏祭りの怪」

【モルグ市魔神博物館】

モルグ市魔神博物館
日本に"魔神"と呼ばれる怪異が出現するようになり幾年。惑羽イチトと真道シガヤは某博物館の出向職員となる。『回収員』として魔神を殺し、死体を手に入れることがふたりの仕事。展示物の確保のため、そして平和な日常のため、ふたりのまどうは魔神を殺す!


【本編】

小説家になろう / カクヨム / Nolaノベル / NOVELDAYS
番外編:『難しい問題』を解けば出られる部屋

【etc】

・このブログはらくがき・設定置き場です
作品紹介はクロスフォリオにて!漫画もある
更新連絡全般はしずかなインターネットにて!
#盛愚市民こばなし
『水平線は遠く』

あの水平線が具体的にはどういった海の名前を持つのかを自分は知らない。
ただ、切れ目のようで尊ぶべき世界の端だと認識する。

眺めることが好きだった。
そこへ向かおうとは思わなかった。
しかし、ある時から、水平線が乱れるようになった。

魔神が出るらしい、と近所の人が耳打ちをする。
魔神、ああ、それはあの美しい世界において邪魔だなぁとしか思えない。

船が転覆したという話を聞いた。
ああ、やはり害悪だ。
はやく魔神がいなくなればいいのに。

国が燃えたという話を聞いた。
ああ、なんと恐ろしい。
はやく魔神がいなくなればいいのに。

後日、父がうちに帰ってきた。
仕事で乗っていた船が転覆し、うちに帰ることが許されたと。
なぜなら船が向かうべき目的地が、騒ぎの間に燃えて壊れてしまったと。
給金は無いがこれでしばらく食えるだろうと父は壊れた銃を翳して笑った。
生きていくには十分だった。

あれから自分は水平線に向かって祈っている。
ありがとう、魔神の存在は祝福だった。

水平線の乱れは、なにものかの歓喜の舞に思えて。
今では自分と父の穏やかな暮らしの象徴になっている。

あの水平線が具体的にはどういった海の名前を持つのかを自分は知らない。
そこで何人が死んでいるかも。
世界の端の命は遠く、認識ができないので、しようがない。

畳む
SS edit