子どもがひとり死んだ
快活な子だった
誰に似たのだろうと思っていた

昔よくしてくれた親戚のおじさんに似ていた
俺の子は死んだが彼はまだ存命だ

子どもがまたひとり死んだ
愛らしい子だった
妻の小さい時によく似ている
みんなにとても愛された

2番目と3番目に謝罪をされた
自分たちのせいで死んだと

何をやっているんだお前たちは
一体
親の見ていないところで

最愛なる妻が死んだ
妻だけは大丈夫だと思っていた
どうして

子どもを愛していたからか
俺のことは愛していなかったのか

原因はどの子だ?

子どもがまたひとり死んだ
強い子だった
俺はまた支えを失くす

死んだということは
被害者である証拠だ
決して原因ではない

ではどちらが?

子どもがまたひとり死んだ
残ったのはひとり

お前だったんだな

「俺の父は、すでに死んでいる」
「魔神侵攻の折に亡くなった。俺の家族で唯一、こちら側で死ねた男だ」