カテゴリー: SS
10月21日天秤座のO型
惑羽八汰は数える。
葬式から三日経っても、イチトの祖母・四泉は皇都から出ていかなかった。
よるから
(ヤマヅ視点)
シガヤと資料室にいる時の話。
(シガヤ視点)
「バイト募集用の写真撮影をせねばならん」とヤマヅ副館長が言うので。
幼い頃のイチトと兄の話
(イチト視点)
年末年始を迎えようとするフツカの話
(来ないかもしれない冬の話)
モルグ市番外記録、解決できなかった事件の話
起:事件現場
承:犠牲者の言うことにゃ
結:オド先生の話
(尾我天織)
眼の前にあるのは、ドス黒い色をした奇妙なスープ。覗き込むとまず見えるのは上澄み液。圧倒的に”かき混ぜ”が足りていない……。
(錯真トシオと非探索者たち)
旅行代理店の中に『錯真徒汐』の姿を見かけた立命逝貴は、血相を変えて自動扉の隙間から店内に滑り込んだ。
(二兎路チカゲと討代タイタの”墓参り”)
千景は残念そうに呟くが、それは心よりの悲しみというよりも「客をひとり失った」という喪失感に紐付いた吐露である。千景と彼女の関係は、所詮その程度なので。
(二兎路千景)
祖父は店を祖母に任せると、町はずれにある”人嫌い”な金持ちのもとに勤めだした。なんでも、主人に気に入られたらしく、屋敷の管理をするように頼み込まれたらしい。幼かった千景は、かねてより祖母の方が店を切り盛りしていたと認識していたため、そのことについてあまり深くは捉えなかった……
(錯真トシオ視点)
『お店案内してください』
志恩くんからのLINEだ。最近この街に越してきた彼は、いい店を知らないかと、事あるごとに俺に聞いてくる。「頼ってくれ!」と言い出したのはこっちだし、実際頼られるのはめちゃくちゃ嬉しい……